フューチャーセンターの結果報告

このたび、羽島市、岐阜大学のご支援を頂き、マテセンを拠点に尾州産地の更なる活性化に資するべく「ぎふフューチャーセンター」を開催いたしました。 聞き慣れない言葉かもしれませんが、「フューチャーセンター」とは、課題の解決を目指し、様々な立場の方々が対話を通じて新たなアイデアや問題の解決を見つけ出す手法で、センターと名前が付くので施設と思われがちですが、その話し合いが行われる空間を意味します。
大学生、行政機関で働く方、繊維関係企業で働く方、繊維関係以外の企業で働く方と産官学金から様々な立場の方々にご参加いただきました。

第一部 1月10日 9:30~ 工場見学(葛利毛織工業(株)、茶仙染工(株))マテセン見学

・総勢28名参加
・行政12名(経済産業省中部産業局をはじめ岐阜県、静岡県浜松市、愛知県一宮市、京都府、京都府与謝野町、羽島市の職員)
・繊維関係企業11名(岐阜県、愛知県、京都府、羽島市など)
・他産業5名(岐阜大学(教員)、金融機関など)


葛利毛織工業(株)


茶仙染工(株)

第二部 1月10日 13:00~ フューチャーセンター

・総勢48名参加
・行政15名(経済産業省中部産業局をはじめ岐阜県、静岡県浜松市、愛知県一宮市、京都府、京都府与謝野町、羽島市の職員)
・繊維関係企業18名(岐阜県、愛知県、京都府、羽島市など)
・他産業8名(金融機関、旅行代理店、名古屋学芸大学(教員)など)
・大学生7名(岐阜大学、岐阜市立女子短期大学)

フューチャーセンター_1

フューチャーセンターでは、以下の4つのテーマについて、チーム毎にディスカッションし、それぞれ意見をまとめて発表していただきました。

テーマ①マテセンのPRポイント(強み)
なぜ、企業やデザイナー等がマテセンを訪れるのか考えよう!

テーマ②伝えきれていないマテセンの(強み)
伝えきれていないマテセンの「強み・良いところ」を考えよう!

テーマ③マテセンの有効活用!
企業やデザイナー等にとって、マテセンの「有効活用策」を考えよう!

テーマ④マテセンの将来のあり方!
マテセンは尾州産地においてどのような拠点であるべきか考えよう!

チームごとの発表内容

Aチーム

【どのような拠点であるべきか】
  • 同業者、他産地との交流の場
  • 情報発信の場(求人情報掲載、機屋紹介)
【提案内容】
  • 施設の拡充(自由に使える場所の提供)
  • 生地の展示方法の改良
  • イベントの開催
  • はしマイスターによる出前講座の開催
  • マテセンの名刺を作成
  • 電話応対(「マテセンです。」と電話にでる。)
  • マテセンスタッフの増員
  • 近くの宿泊施設と連携(宿泊パックプラン)

Bチーム

【どのような拠点であるべきか】
  • デザイナーと工場を繋げる出会いの場
【提案内容】
  • デザイナーの欲しい生地を見える化
  • 視点を変えたデザイナーと工場の交流の場
    →工場側から生地をデザイナー側に紹介する
    →工場側がマテセンに集まる仕組みを構築
  • マッチング機能の向上
    →工場側とデザイナー側相互のプレゼンの場を提供

Cチーム

【現状】
  • 国内最大級の生地の量
  • 尾州産地内にあり、機屋が集積
  • 試作品を作成できる無料相談窓口の存在
  • リピータが多く、一般認知度が低い
【どのような拠点であるべきか】
  • 地域のものづくりの拠点
  • 自治体のモデルケースとなる拠点
【提案内容】
  • 全国的にPR
  • アパレルだけでなく資材メーカーにも発信
  • 他産地の来館者と機屋のマッチング

Dチーム

【どのような拠点であるべきか】
  • 全国の繊維産地と尾州産地の情報のHUB
【提案内容】
  • ターゲットの明確化
  • スタッフの増員
  • 生地展示方法の改善
    →生地サンプルを置く場所を増やす
  • 情報の開示
    →ロット数、生地受注の金額、連絡先を(前もって)開示する
  • 全国の産地間の繋がりの強化

Eチーム

【現状・強み】
  • 国内最大級の生地の量
  • 無料相談窓口の存在
【伝えきれていない魅力】
  • (一般の人に)マテセンの存在
【どのような拠点であるべきか】
  • 人材育成の場
  • 産地内外の情報発信交流の場
【提案内容】
  • 企業や来館者同士の交流促進
  • 貸館

Fチーム

【現状・強み】
  • 国内最大級の生地量→デザイナーの来館
  • 立地がいい
【どのような拠点であるべきか】
  • 企業、若い人材を育てる教育の場
  • 情報の集積場
  • HUB(他産地、企業、デザイナーを繋げる)
【提案内容】
  • 生地の展示方法の改善
  • ビジネススクールの開催
  • 人材の確保
  • スペースの確保

Gチーム

【どのような拠点であるべきか】
  • 情報発信の場
  • ビジネスチャンスの創造の場
【提案内容】
  • 顕在化していない業界の知識・人脈をPR
    →無料相談の中から実際の成功事例を紹介
    →作り手(職人)の思いをHPに公開
  • 生地の展示方法の改善
    →インスタ映え(例:多治見市モザイクタイルミュージアム)
  • 若手デザイナー同士の交流促進
  • 工場紹介

Hチーム

【どのような拠点であるべきか】
  • 未来への投資としての教育の場
  • プラットホーム(HUB)
【提案内容】
  • 昔の生地を復刻する研究機関としての役割
  • 来館者の仕事を共有し、斡旋
  • 人材育成(後継者育成)
  • (期待したいこととして)1年を通じた安定した利益

ディスカッションの中で挙がった主なご意見

なぜ、企業やデザイナー等がマテセンを訪れるのか考えよう!

  • 国内最大級の生地がある。
  • 生地のコンシェルジュが在中していて、相談や注文ができる。
  • ビジネスマッチングの場となっている。(尾州産地内の機屋や工場を紹介してもらえる。)
  • 新幹線、ICがある。近くに宿泊施設がある。
  • 徐々に認知度が上昇している。(口コミ、SNS、リーフレット)
  • 利用しやすい。(無料。有名・高級ブランドのバイヤーも利用しているという信頼感。)
  • 国内唯一の施設だから。

伝えきれていないマテセンの「強み・良いところ」を考えよう!

  • ウールの生地だけではなく、他産地や資材、海外メゾンの生地が揃っている。
  • 産地内で相談内容にあった機屋や縫製工場を紹介してもらえる。小ロットにも対応してもらえる。
  • 利用訪問しやすい。(常設。無料。アクセスの良さ。)
  • 生地がデータベース化されていること。(WEBサイトの存在。生地が検索できること。)
  • 尾州産地の生地や高品質なマフラーが安価で買える。
  • マテセンの存在自体。

企業やデザイナー等にとって、マテセンの「有効活用策」を考えよう!

  • スタッフの増加(人手が足りないため。)
  • 交流の場(全国の産地間、デザイナー間、同業種・異業種間の交流。)
  • 教育の場(企業従事者にとっての教育の場。企業従事者向けの研修の場。)
  • 商談機能やマッチング機能の強化。
  • 情報発信(企業情報紹介。工場技術紹介。生産ロット、納期の紹介。)
  • 施設拡充(商談スペース。自由に使えるスペース。貸しオフィス。)
  • 観光資源(宿泊パックプラン。コンテスト・ファッションショーの開催。)

マテセンは尾州産地においてどのような拠点であるべきか考えよう!

  • 情報の集積地(工場・職人のリスト化。求人事務所。)
  • 交流の場(全国の産地間、デザイナー間、同業種・異業種間の交流。)
  • 人材拡充(若手デザイナー・学生・企業従事者育成の場。)
  • 尾州産地の魅力を発信(尾州ブランドの発信の場。)
  • ビジネスの場(ワンストップ窓口)
  • 全国の繊維工業の拠点

※今回のフューチャーセンターやマテリアルセンターのあり方等についてご意見・ご質問等がある方はお問合せのページからご意見いただければ幸いです。
ご意見・お問い合わせはこちら


今後の展開

頂いたたくさんのご意見の中から、費用対効果や実現度、発展性、優先度を踏まえ、実現に向けて以下のとおり実施の検討をしています。

  • 尾州産地内の企業への仕事の創出を目指すべく、テキスタイルマテリアルセンターの利用者を増やすため、施設利用が多い業種について企業の抽出を行い、DMを実施するなどターゲットを絞ったPRを行う。
  • 効果的な情報発信を行うべく、HPの内容の充実化を図る。例えば、生地づくりの相談事例(尾州産地企業への受注、生地づくり、製品の完成までの工程)の紹介を行うことや、テキスタイルマテリアルセンターに新たに生地の追加展示をした際の投稿等を行う。
  • 効果的な情報発信を行うべく、SNS等を活用した効果的な情報発信を行う。SNSの新たなツールの一つとして、LINE@を利用した情報発信を行う。
  • テキスタイルマテリアルセンターに研修で訪れる学生やデザイナーに向けて、尾州産地内の企業紹介コーナーを設ける。
  • テキスタイルマテリアルセンターに研修で訪れる学生に向けて、尾州産地内の求人情報の情報提供を行う。

 以上のほか、フューチャーセンターに参加された方々の中からも、自身の会社の雑誌に尾州産地やマテセンの紹介記事を投稿されたり、大手雑誌の記者にテキスタイルマテリアルセンターへを紹介されたりと、尾州産地の活性化につながる取組みをしていただいていると伺っております。
 組合としましても、尾州産地の活性化に繋がるよう一層取り組んでまいりますので、引き続き、ご支援、ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

アンケート集計結果について

参加者: 48人
回答数: 43人
回答率: 89.6%

Q:属性を教えてください

属性

Q:ぎふフューチャーセンターに参加してよかったですか?

参加してよかったですか

Q:今後もこのような取り組みに参加したいですか?

今後

Q:今日の感想

・様々な業種の方々意見が聞けて、とても有意義な時間だった。
・マテセンにこんなに大きな会場がある事にびっくりした。色々なスペースに使用できると思う。
・参加者全員と交流できる時間があればよかった。
・羽島市の企業も回りたかった。
・資料館のサンプルの多さに驚いた。

Q:テキスタイルマテリアルセンターに求めること

・機屋さんや加工屋さんなどの技術者の方々との交流の場を持ちたい。
・見本市からのルートだけでなく、各社からの新作サンプルの受け入れをしてほしい。
・ワークスペースや、図書館的機能の強化をしてほしい。
・個室スペースがほしい。
・定期的な交流会を開催してほしい。
・全国、世界の繊維業界の総合案内役、ハブとして機能してほしい。
・テキスタイルの研究・相談できる場の活用
・若手中心としての人材育成
・今回提出された様々な意見の活用、フォローアップ